パンドラの箱 2017 7 2

「規制は、成功者を守るが・・・・・」
 いったん成功してしまえば、
規制は、新規参入者を防ぎ、成功者を守ってくれるのです。
 だからこそ、成功者は「規制緩和」を恐れるのです。
そこで、成功者は、豊富な資金を政治献金につぎ込み、
「規制緩和」を阻止しようとするでしょう。
 日本は、社会主義国で唯一成功した国と言われています。
つまり、官僚が作った「規制」をひたすら守って、
安定的に発展してきたかもしれません。
 これは、日本が「経済的な鎖国」をしていたからこそ、
うまく動いたシステムであり、
このような「鎖国」は、つまり、このような成功モデルは、
いつまでも続くものではありません。
現代においては、「経済に国境がなくなった」と言われています。
 たとえ政治力によって、「経済の国境」を作ることはできても、
やがて、そういう人工的な国境は、崩壊するでしょう。
「パンドラの箱を開けてしまった」
 今後は、IT技術の急速な発展によって、IT業界だけでなく、
「古典的な産業」や「伝統的な産業」にも、IT技術が使われるようになってくるでしょう。
(「Fintech 2017 4 23」を参照してください)
 IT技術が、IT業界の中で収まっていれば、
多くの産業は、平和だったのですが、
そのIT技術が、IT業界の外へあふれ出す時こそが、パンドラの箱が開く時です。
 日本は、もう一度、「明治維新」が必要でしょう。
かつて、江戸幕府によって保護されていた業界は、たくさんありました。
 しかし、「黒船来航」により、
保護されていた業界どころか、江戸幕府すら崩壊してしまったのです。
 さて、経済学者のシュンペーターは、次のような言葉を残しています。
「資本主義は、成功ゆえに巨大企業を生み出し、
それが官僚的になって活力を失い、社会主義へ移行していく」
 また、「シュンペーター」(伊東光晴 根井雅弘 著  岩波新書)という本には、
このようなことが書いてありました。
「ケインズ政策は有効需要の操作であったが、
シュンペーターが明らかにしようとしたものは、
新しい技術と組織による供給構造の変化であり、
新製品の登場による市場の創造であった」

Fintech 2017 4 23
 Fintech技術が、
銀行の根幹業務を侵食するのは、時間の問題と言えます。
 銀行の根幹業務とは、
お金を集めて、それを融資するというが、根幹業務となっています。
 しかしながら、ITプラットフォームを使って、
お金を貸したい「不特定多数の人」と、
お金を借りたい「不特定多数の人」を結びつけるビジネスがあります。
それを「ソーシャルレンディング」と呼びます。
 アメリカの「レンディングクラブ」は、
ニューヨーク証券取引所に上場している企業で、
インターネットを使って、資金を小口で集めて、
融資を仲介するビジネスを行っています。
 同社は、2015年までに、
累計で1兆8000億円近くの融資を行っています。
(「AI時代に生き残る企業、淘汰される企業」から引用 加谷 珪一著 宝島社)
 このままでは、銀行業界が「絶滅危惧種」になってしまうとは言い過ぎかもしれませんが、
少なくとも、日本の銀行業界が、「ガラパゴス化」することは間違いないでしょう。



























































































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